『バチェラー3』正気を失ったバチェラーが家族にキレまくる神回を振り返る!

前回までのあらすじ

 指原莉乃が「賛否両論」と予告していたリアル婚活サバイバル番組『バチェラー3』(Amazon Prime Video)は終わりを告げ、今に至るまで絶賛炎上中である。もう、結末を知っている人はかなりいるはず。そこで本稿では、皆さんがエンディングを知っているという前提で、各エピソードをじっくり振り返っていきたいと思う。まず、この記事ではエピソード8と9に焦点を当てる。

各家庭で地雷を踏み続けた友永(エピソード8)

 エピソード8で行われるのは、バチェラー・友永真也(31)が女性メンバーの家族に会いに行く、実家訪問企画だ。

 1番手は、広告代理店広報・野原遥(28)の家。野原の実家は野菜農家だ。対する友永は偏食気味であることを隠しておらず、野菜は大の苦手である。野原の父親から生の長ネギを手渡され、そのままかぶりつくことを促された。意を決してガブッといった友永。

「これは普通に食べれる」

 誠意を見せようとせっかく頑張ったんだから、そこはウソでも「おいしい」と言えばいいのに……。

 野原家と友永の歯車が、終始かみ合わない。野原の祖母が「仕事ができない女はダメ」と“働く女”という未来予想図を語っているのに、友永は唐突に「僕は朝から晩まで出っぱなしで、服を脱ぎっぱなし」と発言。暗に「家庭をしっかり頼む」という意向をにおわせたのだ。雰囲気は穏やかだが、お互いの主張が衝突している。

 続いての訪問先は、シングルマザー・田尻夏樹(31)の実家。ここでも友永は、田尻の家族とかみ合わなかった。家族とは、田尻の1人息子の疾(はやて)君のことだ。愛車のフェラーリで登場した友永は、疾君を助手席に乗せてドライブに出発した。小学6年生で思春期の疾君は、終始緊張気味。無理もない。カメラが自分を撮り続けているし、自分の父になるかもしれない見知らぬ関西弁の男が仲良くなろうとグイグイ来るのだから。顔はずっと引きつっている。なのに、「あの笑顔を見るために、あの車に今日は乗ってきました」とトンチンカンなことを言う友永。まあ、彼も小学生と仲良くなろうと必死なのだろう。

 3番目に向かったのは、ぶどう農家・岩間恵(25)の実家。

「恵さんに対しては、会うたびに自分の気持ちが強くなっています。恋なんちゃうかな?(笑) 」

 岩間と合流し、手をつなぎながら家族の元に向かう2人。女性と手をつないで友永が家族と対面したのは岩間家だけである。岩間にだけは、顔をのぞき込む体勢で話しかける友永。わかりやすい。

 そんな愛する岩間の実家へやって来たというのに、友永は地雷を踏んでしまった。岩間の母親から「娘のどういうところが良かったんでしょう?」と質問された友永の回答は、なかなかの大胆発言だ。

「末っ子で育って、甘やかされてきたんやなっていうところはすごく感じます。でも、それはそれでいいんじゃないのかなって」

 ご両親の前で「娘さんは甘やかされて育ってきたと感じます」と断言。これが失礼にあたらないわけないと思うのだが……。「愛されて育った」など、言いようはほかにもあるだろうに。

 さらに、大事件発生。友永から神戸に来てくれるか問われた岩間は「ずっと山梨にいたから、今すぐは行けない」と返答したのだ。続けざまに「なんで、そんなに神戸にこだわるの?」と逆質問! 今までにも言う機会はあっただろうに、家族という味方が大勢いるホームで初めてその意思を告げる岩間。父親も「神戸に行かせるのは寂しい」と、友永を追い詰めた。

 岩間の振る舞いは、悪い意味で目を引く。野原も田尻も友永と両親の橋渡し役を買って出て円滑なコミュニケーションを心掛けていたが、岩間は家族と一緒になって友永を詰問し続けたのだ。招く側としての気遣いが彼女からは見えない。甘やかされて育ったからか……? 

 友永が神戸にこだわる理由にも驚いた。「なんか、自然とか、子どもを育てる環境とか、俺はちょうどいいと思ってて……」と、すごくペラペラなことしか言わないのだ。ビジネスの事情とか、そういうやつじゃないのかよ!

 さらに、驚くべき対応を見せる友永。

「基本的に僕、絶対譲らないけど、相手が恵さんだったら譲れるなっていうところもあるんですよね」

 エピソード2で看護学生の浦田直佳(22)が「卒業後は都内で働く」と言った途端あっさり脱落させたのに、岩間が神戸行きを渋ると「貫き通す芯の強さがあっていい」と好意的に解釈する友永。解せない。はっきり言って、岩間は「芯が強い」というより「我が強い」女性だからだ。芯の強さで選ぶなら野原だろう。つまり、岩間なら何を言ってもOK。これが、惚れた弱みというやつだ。

 あと、友永は「強い」と連呼しすぎである。今まで何度「ほんま強いわ」と聞いてきたことか。強敵と出会って「おめぇ、本当強ぇーな!」と喜ぶ『ドラゴンボール』の孫悟空を思い出させる。

 岩間家を後にしたのち、友永は岩間と2人だけの時間を設け、あらためてじっくり話し合った。ほかの2人のときは家族との対面だけで済ませてたのに……。そして、ポケットに手を突っ込んで帰っていく友永。岩間と会うときも、彼はポケットに手を突っ込んでいた。きっと、大本命の女子にカッコいい姿を見せたかったのだろう。

 最後は、“元・北新地ホステス”水田あゆみ(30)の実家訪問である。ここでも、友永の発言にヒヤヒヤしてしまった。焼き鳥店を営む水田の父と母は離婚している。しかし、今の2人を見ていると、離婚したとは思えない仲の良さだ。そんな水田の父親から「離婚していることは気になりますか?」と問われた友永は、遠慮なく「内容が気になります。途中経過によって、僕の中で考えることはあります」とズケズケ言った。なんで、そんな面接官みたいな態度なの……。

 水田家にはつらい過去があった。水田の母と妹がうつになり、また父親は夢だった焼き鳥店を軌道に乗せようと懸命の時期があったのだ。そんな家族を支える意味も含め、彼女はホステスになったらしい。

「あゆみさんがなんでホステスをし始めたかっていうところ、1回も聞いたことなかったです。でも、それの理由も今回初めて知れました。家族のために一 番初めにまず自分を犠牲にするんだと思って」

 友永のこの発言が、実は地雷を踏んでいた。水田は10月19日にTwitterで以下のような考えを発信している。

「『家族のために自分を犠牲に』という言葉にすごく違和感。私はこのような認識はしておりません。大切な家族のために、可能な限り力を添えることは幸せなことです」

 こんなふうに、水田はほとんどネタバレに近い情報をSNS上で頻繁に発信していた。もし友永が水田を選んでいたなら、友永批判にも受け取れるこんなツイートを水田がするはずもない。この時点で「水田エンドはないだろう」と察した視聴者は多かったし、SNSで荒ぶる水田に自制を望むバチェラーファンも多かった。しかし、後にその声は静まった。あの結末を知ってしまえば、彼女の言動を止められるはずもないからだ。

 このエピソード8で脱落したのは田尻である。

「今から誰かと結婚して、子どもができた。そのとき父親になる自覚がどういうものか、全然今は見えてなくて。疾君がどうこうじゃなくて、僕自身の至らない点なんですよ」(友永)

 連れ子を引き受ける覚悟ではなく、子どもの父になる自覚そのものが見えてないという友永。爆弾発言である。結婚がどういうものか、まだ理解していないということ? こんなテンションならば、疾君を出演させる前に田尻を落とすこともできたろうに……。

 そして、やはり友永と岩間のやりとりに目が行った。「ローズを受け取っていただけますか?」と友永が差し出したローズを、岩間は「ありがとう」と言って受け取ったのだ。ちょっ、タメ語かよ!? ここは形式張って「ありがとうございます」「もちろんです」と敬語を使うものなのに……。すでに、友永が岩間の尻に敷かれている構図である。

 次のエピソード9は、神戸にいる友永の家族へ会いに行くという内容。今回とは立場を逆にした訪問企画である。

「神戸の街を好きになってください」

 岩間の顔をグッと見つめる友永。完全に1人にしか意識が行っていないようだ。あからまさに目を合わせに行き、そんなバレバレのアイコンタクトをしないでも。

 岩間、野原、水田の3人が、友永の両親&兄と対面するエピソード9。まずは、岩間が友永家と対面した。

 家族面談となると、やはりこの質問から始まる。友永の母親に「結婚するとなった場合、こちら(神戸)へ来ていただくことは可能なんですか?」と問われた岩間は、一瞬フリーズした。そして「不安があります。すぐ神戸に行けるとは今の段階では言い切れない心境です」と返答。ここで助け舟を出したのは友永だ。

「ぶっちゃけ言ったら、神戸じゃなくて関東でもいいっていうふうに考えが変わってきた」

 あれだけ神戸へのこだわりを見せ、それを理由に女性を落としたこともある友永が!? この変化には、さすがの岩間も「そうなの?(笑) 」と驚きの表情を見せている。

 続いての面談は野原だ。まず野原は「子どもの頃の真也さんって、どんな子だったんですか?」と質問した。この問いに父親は「小学校6年まで指を吸う子でした(笑)」と明かす。小6まで指を吸うのって、結構ヤバいんじゃないのか……。さらに母親は「ムッチャクチャ散らかすんですけど、片付けられます?」と発言。指を吸う、片付けられない等、真也下げを連発する友永家。いま振り返ると「そんな真也ですけど、それでも大丈夫ですか?」と両親が誠意を見せてくれていたようにも思える。

 友永家のキーマンは長男、つまりバチェラーの兄だ。彼がまた鋭い。

「お前は(野原と)ひとつ 距離があるんじゃないかなって感じた。座ってるときの距離感であったり、会話のレスポンスを考えたときに“ちょっと距離あるなあ”と客観的には思った」

 その指摘に対し「兄もよく見ているなあ」と、あっさり認めてしまう友永。「俺の理想そのもの」と野原を絶賛してきたくせに……。そもそも、野原を前にしたときと岩間を前にしたときでは、友永の顔があまりにも違う。本能は岩間、理性は野原というところだろうか。

 最後は水田と友永家の面談。これが見ものだった。水田と会話を終えた後、友永家は家族会議を開いた。ここで友永は両親と兄に質問した。「全員に会ってもらった正直な意見が聞きたい」。すると、3人とも「イチオシはあゆみさん」と答えるのだ。この返答を聞き、友永の様子が一変する。

「俺の結婚相手を自分の家族のために決めるっていう気はさらさらないよ!」

 家族にそんなつもりはなく、正直な意見を求められたから答えたまでの話。なのに「結婚したい人は俺が決める」と怒りだす次男に、「どうぞ、どうぞ」となだめる家族。こぞって友永をなだめる家族は息が合っているように見え「次男の友永は、いつもこんなふうに家族に手を焼かせている?」と、いらぬ妄想までしてしまった。「正直な意見を聞かせて」→「私はあゆみさん」×3→「俺の気持ちが大事!」の流れは、まるでコントである。3人そろって「どうぞ、どうぞ、どうぞ」って、ダチョウ倶楽部じゃないんだから。

 友永の怒りはまだ続いた。

「人を比べるっていうこと自体も、まずちゃうし!」

 数多くの女性を比べ、ローズを渡してきた「バチェラー」のコンセプトそのものを台なしにするような発言。比べるために女性参加者3人をここへ来させたというのに! 正気を失ったのか?

 極めつきは、個別インタビューでの友永である。

「勝手に決めるなよって! 僕は今、恵さんがいいと思ってるのに」

 ローズセレモニーはまだ先なのに、エピソードの中盤で言ってはいけないことを口にする友永。本人の中で「恵さんがいい」と答えが決まっているのなら、もうバチェラーを続ける意味はない。いま思うと、この時点で岩間にプロポーズしてもよかった気がする。

 あらためて振り返ると、エピソード9は神回だった。片付けられない、指を吸う、理解不能なキレ方をするというすごいシーンが続出したのだから。ハイスペックのはずが、すごいバチェラーだ。

 家族と面談し終わった後、友永は水田とキッチンに入った。これは「オムライス作りたい!」と友永が水田を誘った形だ。でも、なんだか友永の様子がおかしい。心ここにあらずなのだ。スープを担当しているのに「こんなオムライス、作ったことないわ」と妙な発言をする始末。おそらく、家族全員が水田推しになったことで頭がいっぱいになり、友永は放心状態だったのだろう。だって、さすがにオムライスとスープを間違える人はいないと思うのだ。

 エピソード9で脱落したのは野原だった。「俺の理想そのもの」と断言していた女性を落とした友永。なんだかんだ、家族の意見を彼は尊重していたように思う。自分の気持ちと家族の意見の両者を友永は取ったのだ。「俺の気持ちが大事!」とたんかを切っていた割に……。

 あと、やはりローズセレモニーでの友永―岩間のやりとりは目を引いた。「ローズを受け取っていただけますか?」と友永からローズを差し出された岩間。彼女は数秒の間を置き、意味深な表情でローズを受け取った。

 バチェラー3はすでに、友永が岩間を追いかける番組に変貌している。エピソード10~エピローグについては、後編の記事にて。

(文=寺西ジャジューカ)

Source: 日刊サイゾー 芸能

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